アッロドーラの和歌鑑賞

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大江山 いく野の道の遠ければ まだふみもみず 天の橋立

 小式部の内侍が歌合せの歌を考えているときに、「母の和泉式部にもう歌を考えてもらったのか」 と嫌味を言われて返した歌。
 「行く野」と地名の「生野」、「踏み」と「文」の掛詞が用いられている。 歌で言い返したということは”母に教わらなくてもとっさに歌を作ることができる” という気持ちが込められていると思う。
 また、体言止めで使われる「天の橋立」は、 きっぱりとした母との距離を物語っているのではないだろうか。

 だが、小式部内侍は母に頼らない自分をしっかりと見せたと同時に、 恋多き女性、歌人だと言われる母、和泉式部に思いをはせたと思う。
 少し、遠くにいる母がどんな時を過ごしているのだろうかと、そんなことも思ったかもしれない。

 いつの時も、大きく育った娘と母の関係はあたたかく、遠くにいても細くとだえそうでいて、 なかなかしっかりつながっているものだと思う。


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